コロナ禍の時こんな人達もいたのかもしれない
2020年コロナ禍。
不穏な恋愛にのめり込む30代独身のキャリアウーマン。
不良になった元クラスメイトと再会する男子高校生。
ラブホテルの経営不審に喘ぐ3人の子持ちの中年男性。
一度のつまずきから地獄へと運命が転がり始める。
デビュー作〈悪い夏〉、〈正体〉 続々映画化!
〈滅茶苦茶〉というシンプルなタイトル。
デビュー作である〈悪い夏〉などが映画化。
なるほど。結構話題の作品が多いのか。
よし、読んでみよう!
ということで購入。
染井為人さんの作品は初めて手に取ってみましたが、
こういう出会いがあるので、本屋に長居してしまうんですよね。
「心のコロナに感染している」 読んだ感想 ※ネタバレなし
物語は3人の人物で構成されており
30代独身キャリアウーマンの美世子。
進学校に通う礼央。
ラブホテル経営者の茂一。
最悪の転落人生に向かって、突っ走っていきます。
1人目の美世子は
マッチングアプリで知り合った男性から仮想通貨を勧められます。
「これは詐欺的なやつかな」と思いましたが
予想外な展開に巻き込まれます。 まさに滅茶苦茶。
2人目の高校生礼央は
不良になった元クラスメイトと再会した事で、
こちらも可哀そうな展開に。
進学校での挫折やプレッシャーなど苦しんでいた礼央にとって、
この出会いはちょっとした気分転換くらいはずだったのに、
とんでもない事件に巻き込まれます。 こちらも滅茶苦茶。
3人目の茂一は
コロナ給付金をもらえなかった事から、ある悪事に手を染め始めます。
ただ当時コロナ禍で
茂一のような経験をした方もいるのでは思いました。
実際に給付金に関するニュースもよく報道されていましたし、
家族の事を考えると・・・なんて少し同情しました。(もちろん犯罪はダメですが)
まあ、滅茶苦茶です。
3人の話を読み
「タイトル通りたしかに滅茶苦茶だな、可哀そう」
なんて呑気に考えていると
物語は急展開します。
終盤になって
まだ滅茶苦茶にするなんて。やられました。
こういう別の話が繋がる瞬間がミステリーの面白さですよね。
特に繋がる寸前に、
「あ!これ繋がるのか!」
となるときが私は大好きです。最後まで読んでよかった!
最後に
ここまで読んで頂きありがとうございます。
私の好きな叙述系の
「くそ!また騙されてしまった!」
という感じではありませんが
予想外の展開には驚かされました。
最後まで飽きさせず、次の展開が気になり、
さくさく読み進めることのできる作品だと思いました。
ぜひ試しに読んで頂き
「あの時は本当に大変だったな~」
なんて、当時のコロナ禍を思い出しながら読むのもいいかもしれません。