二人の少女(と一匹?)が名家の財宝を探す!
大正14年。
借金に苦しむ樺谷子爵家に取立人としてユリ子と名乗る少女がやってきた。
借金返済の為に、名家の「財宝」探しをすることになった樺谷鞠子とユリ子だが
14年前の未解決事件の真相にも辿り着いていく。
話題の〈方舟〉作者 夕木春央
ミステリーの作者や作品にそこまで詳しくない私が
本屋で「あ、なんか面白そう」
と手に取った〈方舟〉。
かなり話題の作品だったらしく、あっという間に読破しました。
「夕木春央さんの作品をもっと読んでみたい!」
そう思い、あれこれ調べた結果出会ったのが
〈サーカスから来た執達吏〉です。
「かつよさん」が大活躍 読んだ感想 ※ネタバレなし
物語は財宝探しがメインですが、その財宝というのが
14年前に起きた殺人事件とその際、不可思議な状況で突如消えたものです。
財宝はいくつかの名家の人間も狙っており、
鞠子とユリ子は、
財宝の在り処を探しながら、事件の真相にも辿り着いていきます。
謎解き要素もあり、ミステリーとして十分楽しめました。
さらに、途中で他の名家に捕まってしまった鞠子を
助け出すユリ子が普通にカッコよかったです。
どこか子供っぽくて、自由気ままユリ子ですが
頭はきれるし、行動力抜群で
「いったいこの子は何者なんだ」と思わせるキャラクターが
とても魅力的です。
そして忘れてはいけないのが
〈かつよさん〉の存在です。
かつよさんは〈馬〉です。これ以上説明のしようがありません。
ユリ子の相棒?といってもいいと思います。
鞠子を助けた時も、長距離の移動の時も、かつよさんがいてくれたから。
時代設定が大正時代であり
主に名家と呼ばれる人物が登場するので
言葉遣いや内容(お金の価値など)が
少し独特だったり、違った部分があります。
気にするレベルではありませんが
個人的には少し苦手でした。
今までだと
「なんか・・・読む気がしないなあ」
と思ってしまう事が正直ありました。
しかし、そんな私を救ってくれたのもユリ子でした。
彼女だけがすごく異質であり、良い意味で「違和感」があり、読んでいて心地よい。
おかげで最後まで読むことができました。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございます。
夕木春央さんの作品は
しっかりとどんでん返しがあるのでとても好きです。
私は最初に〈方舟〉を読みましたが、
どちらかというと、現代ではなく昔の時代設定の作品が多いようです。
そういった設定の作品が苦手な私が、最後まで楽しむことができ
ちゃんとどんでん返しをくらう事ができました。
ぜひ、これからミステリーを読んでみようかなと
思っている方も読んでみてはいかがでしょうか。
おそらく夕木春央作品が気に入っていただけると思います。