〈このミス大賞〉文庫グランプリ受賞作! 二百年前のDNAの真相とは!

二百年前の人骨と四年前に失踪した妹のDNAが一致した

不可解な鑑定結果を担当教授に相談しようとしたが

その教授が何者かに殺害されてしまう。

さらに教授が参加していたループクンド湖での採掘調査に

関わった人物たちも次々と殺されていく。

失踪した妹、DNAが一致した人骨、採掘調査の真相が繋がる時

予想外の結末に。

松下龍之介さんデビュー作! 

本作がデビュー作でいきなり受賞作に。

ミステリーを読み始めたばかりのころは

「とりあえず受賞作読んどけば間違いないだろ」

という安易な気持ちで買っていました。

このミス大賞の作品は

比較的読みやすいものが多く

「ミステリー読んでみたいけど、迷っている」

という方はとりあえず受賞作選んでおけばいいのかなと思います。

“ちゃぽん” 読んだ感想 ※ネタバレなし

DNA・遺伝人類学など専門的な内容も出てきますが

置いてきぼりになることなく、さくさく読むことができました。

こういった内容の作品は

「難しそうだな~。」

と一瞬手に取るのを躊躇してしまう事があるのですが、

素人の方でもちゃんと理解できる内容になっています。

デビュー作でDNAを使った題材でミステリーを書くとは

今後の松下さんの作品にも期待したいですね。

さて、本作は

大学院生の七瀬悠が

妹で四年前に失踪した紫陽(しはる)を探すために奮闘する物語です。

途中で石見崎教授の姪であると出会い

協力して謎の真相を解き明かしていきます。

二十四年前の採掘調査

父の七瀬京一の日江製薬

なにやら怪しげな宗教〈樹木の会〉

といった、各所に謎が散りばめられています。

特に採掘調査に関わった人物達が殺されていくところで

ちゃぽん”という不気味な音をたてながら

登場する牛尾

気になる謎が多い本作ですが

個人的にこの“ちゃぽん”牛尾が

こいつは何者?人間?目的は何???

最後まで気になって仕方がなかったです。

最後に

ここまで読んで頂きありがとうございます。

本作はミステリーとして楽しめるのはもちろんですが

登場人物達の関係性や心情、思いなどの

人間模様も見どころの一つだと思います。

七瀬悠の京一に対する心情の変化

石見崎唯の思い(真実?)など

ミステリー以外の要素も楽しめる作品になっていると思いました。

ぜひ多くの方に読んで頂きたい作品です。